村竹ラシッド選手は、男子110mハードルで日本人初の12秒台に入った日本記録保持者です。高さ1.067mのハードル10台を越えながら、短距離走の速度を保つ技術に注目すると、競技の見え方が大きく変わります。

TBS系列『アジア大会 愛知・名古屋』では、男子110mハードル決勝を含む大会中継が2026年9月27日(日)18時30分から放送予定です。決勝は同日20時08分に始まる予定です。この記事では、110mハードルの仕組み、村竹選手の記録、観戦時に注目したい技術をまとめます。

村竹ラシッド選手が持つ日本記録

日本人初の12秒台を記録

村竹選手は2002年生まれで、順天堂大学を経てJALに所属しています。男子110mハードルでは、2025年8月に12秒92の日本記録を樹立しました。

それまでの自己記録13秒04を大きく更新し、日本人選手として初めて13秒の壁を破りました。アジア記録12秒88との差は0秒04です。

村竹ラシッド選手の自己記録と大会成績を日本陸連で確認する

オリンピックと世界選手権で連続5位

村竹選手は、2024年パリオリンピックの男子110mハードルで5位に入りました。続く2025年東京世界選手権でも5位となり、2年続けて世界大会の決勝で入賞しています。

2025年のアジア選手権では優勝しました。世界大会の決勝経験とアジアでの優勝実績を持つことが、今回のアジア大会で注目される理由です。

110mハードルの仕組み

高さ1.067mのハードルを10台越える

男子110mハードルでは、直線のレーンに10台のハードルが並びます。一般男子のハードルの高さは1.067mで、スタートから1台目までは13.72mです。

ハードル間は9.14m、10台目からゴールまでは14.02mに固定されています。選手の歩幅に合わせて間隔が変わることはないため、速度を上げながら決められた位置へ身体を合わせる必要があります。

ハードル間は3歩のリズム

トップ選手は、ハードルを越えて着地した後、次の踏み切りまでを3歩で進みます。「着地、3歩、踏み切り」の一定したリズムを10台目まで崩さないことが基本です。

ハードルへ近づきすぎれば窮屈になり、遠すぎれば跳ぶ動きが大きくなります。9.14mの区間で走る速度と踏み切る位置をそろえることが、110mハードル特有の難しさです。

ハードルに触れても直ちに失格ではない

ハードルは接触すると倒れる構造です。走る勢いの中で脚が当たり、ハードルが倒れただけで直ちに失格になるわけではありません。

ただし、接触すれば姿勢や3歩のリズムが乱れ、わずかな時間を失います。短いレースでは、その小さな減速が順位に影響します。

村竹ラシッド選手の走りで注目したい技術

1台目までに速度と姿勢を整える

スタートから1台目までは、レース全体のリズムを決める区間です。身体を起こすのが早すぎると十分に加速できず、低い姿勢を長く保ちすぎると踏み切りに入りにくくなります。

村竹選手は2026年のシーズン初戦で、予選では最初の3台を意識したと振り返っています。1台目だけでなく、序盤の数台で加速とハードリングをつなげられるかが重要です。

上ではなく前へ越える

ハードルを高く跳ぶほど、空中にいる時間が長くなります。速い選手は必要な高さを確保しながら、身体の重心を前へ運びます。

先にハードルを越えるリード脚を素早く下ろし、後から越える抜き脚を前へ戻すことで、着地後の走りへつなげます。跳躍の高さより、着地後すぐに走れる姿勢へ戻る速さが見どころです。

後半も3歩を細かく刻む

終盤は疲労によって姿勢が上がり、ハードル間の歩幅も乱れやすくなります。村竹選手は公式コメントで、後半のインターバルを細かく刻めたか、最後のハードルへ適切な位置から踏み切れたかを振り返っています。

10台目まで3歩のリズムを保ち、最後の14.02mでもう一度加速できるかが勝負のポイントです。

アジア大会で注目したいこと

目標は優勝とアジア記録

村竹選手はTBSの公式インタビューで、アジア大会の目標を優勝とし、12秒88のアジア記録更新にも意欲を示しています。自己記録との差はわずか0秒04ですが、記録は風速やハードルへの接触、スタートなど複数の条件に左右されます。

泉谷駿介選手との日本勢対決

日本代表には、2023年世界選手権5位の泉谷駿介選手も選ばれています。村竹選手と泉谷選手はともに世界大会の決勝を経験しており、日本勢2人がアジアの強豪とどのようなレースを見せるかが注目点です。

男子110mハードルの競技時刻と出場予定を日本陸連で確認する

まとめ

村竹ラシッド選手は、男子110mハードルで12秒92の日本記録を持ち、パリオリンピックと東京世界選手権で5位に入ったハードラーです。10台のハードルを越えながら速度を保つには、序盤の加速、低く前へ越える動き、9.14mを3歩で刻むリズムが必要です。

ハードルを越える瞬間だけでなく、着地後の一歩や終盤まで変わらないリズムを見ると、0.01秒を競う技術の細かさを感じられそうです。10台目を越えてからゴールまでの加速にも注目して応援したいですね。