セパタクローは、ネットを挟んで足や腿、頭などを使い、相手コートへボールを返す競技です。手や腕を使わずに3回以内で攻撃へつなぐ点は、サッカーの技術とバレーボールの展開を組み合わせたような面白さがあります。

2026年9月27日放送予定のMBS・TBS系『情熱大陸』では、セパタクロー男子日本代表が取り上げられる予定です。この記事では、初めて観戦する人にも分かるように、競技の内容やルール、ポジション、日本代表の歩みを詳しく紹介します。

セパタクローはどんな競技?

名前の意味と競技の成り立ち

日本セパタクロー協会によると、「セパ」はマレー語で「蹴る」、「タクロー」はタイ語で「籐で編んだボール」を意味します。東南アジアに古くから伝わるスポーツで、1965年に統一ルールが作られ、1990年の北京アジア大会から正式競技になりました。

現在の公式球は、以前使われていた籐ではなくプラスチック製です。JOCは、直径約14cmで6本のパーツを編み込んだ構造と説明しています。

競技の成り立ちや用具を日本セパタクロー協会で確認する

コートとネットの大きさ

コートはバドミントンと同じ大きさです。ネットの高さは男子が155cm、女子が145cmで、選手はそのネットを越えるように足や頭でボールを返します。

男子用ボールの円周は41~43cm、重さは170~180gです。小さく軽いボールを正確に扱いながら、ネットより高い位置から強いアタックを打つ技術が求められます。

試合の進み方と得点ルール

手と腕は使わず3回以内で返す

基本のレグ種目は3人対3人です。ボールが自分のコートへ来たら、手と腕以外の部分を使い、3回以内のタッチで相手コートへ返します。

バレーボールでは同じ選手が続けてボールに触れられませんが、セパタクローでは1人の選手が連続して3回触れることもできます。難しい体勢で受けた選手が、自分でボールを立て直して返球する展開も生まれます。

サーブからラリーが始まる

3人制では、コート後方のセンターサークルに立つサーバーへ、前方のクオーターサークルにいる選手がボールを投げます。サーバーは軸足をサークル内に置いたまま、もう一方の足でボールを蹴って相手コートへ送ります。

サーブ権がある側だけでなく、ラリーを制した側に1点が入るラリーポイント制です。日本セパタクロー協会は、サーブ、アタックを相手が返せなかった場合や、相手がフォルトした場合に得点になると説明しています。

15点を先取したチームがセットを取る

1セットは15点制で、2セットを先取した側が勝者です。14対14になった場合は2点差がつくまで続きますが、上限は17点です。

両チームが1セットずつ取った場合は第3セットを行います。1点ごとにサーブが交代するため、短い時間の中で流れが変わりやすく、連続失点を止める切り替えも重要です。

主なフォルト

次のようなプレーはフォルトとなり、相手に1点が入ります。

  • ボールが手や腕に触れる
  • 4回以上ボールに触れる
  • センターラインを越えて相手選手に触れる
  • 相手コート側へ手足を出し、ネットを越えてボールに触れる
  • ボールをコート外へ落とす、またはネットにかける

足を高く上げる競技ですが、相手選手との接触やオーバーネットを避けながらプレーしなければなりません。豪快な動きと細かなルールの両方がある競技です。

3人制のポジションと役割

サーバー

サーバーは「テコン」とも呼ばれ、後方からサーブを蹴る選手です。サービスエースを狙う強さだけでなく、コースを変えて相手のレシーブを崩す正確さも必要です。

サーブ後は守備にも参加します。ラリーの始まりを作るだけでなく、後方からコート全体を見る役割も担います。

トサー

トサーは、味方が受けたボールをアタッカーが蹴りやすい位置へ上げる司令塔です。バレーボールのセッターに近く、足の内側などを使って高さや速さを調整します。

JOCのインタビューで男子代表の春原涼太選手は、クワッドでは2人のアタッカーのどちらを使うかによって、相手のブロックやレシーバーとの駆け引きが生まれると説明しています。アタックの派手さだけでなく、その直前のトスにも注目すると戦術が見えやすくなります。

アタッカー

アタッカーは、トスされたボールをジャンプして相手コートへ蹴り込みます。体を回転させながら足を振り抜く攻撃や、相手のブロックを避けてコースを狙う技術が見どころです。

攻撃だけでなく、ネット際では足を高く上げて相手のアタックを止めるブロックも行います。JOCは、オーバーヘッドキックのような大技が毎プレーのように繰り出される点を、競技の大きな魅力として挙げています。

レグ・クワッド・団体戦の違い

レグは基本となる3人制

レグは3人対3人で戦う、セパタクローの基本的な種目です。サーバー、トサー、アタッカーが役割を分担し、レシーブからトス、アタックへつなぎます。

レグチームは、国ごとに複数のレグを編成して対戦する団体戦です。1組だけでなく、複数組の結果によって国同士の勝敗を決めます。

クワッドは4人制

クワッドは4人対4人で戦う種目です。3人制より選手が1人多く、アタッカーを2人置く戦い方ができます。

攻撃方向の選択肢が増えるため、トサーがどちらへボールを上げるか、相手がどちらをブロックするかという読み合いが生まれます。日本男子が2025年の世界選手権で初めて世界一になったのが、このクワッド種目です。

アジア大会で男子が出場する3種目

JOCによると、日本男子は2026年愛知・名古屋アジア大会で、レグ、レグチーム、クワッドの3種目に出場予定です。会場は名古屋市瑞穂公園体育館です。

アジア大会の実施種目と会場を大会公式サイトで確認する

男子日本代表の実績と強み

2025年にクワッドで世界一

男子日本代表は1990年の北京アジア大会から連続出場しています。2018年のジャカルタ・パレンバン大会では、日本男子として初めて銀メダルを獲得しました。

さらに、2025年7月の第38回世界選手権ではクワッド種目を制し、日本に競技が伝わってから初めて世界の頂点に立ちました。この結果により、2026年の自国開催大会ではクワッドの金メダルに期待が集まります。

高さと力に速さ・幅・分析で対抗

JOCのインタビューでは、日本代表が海外選手の高さや力に対し、攻撃の速さとコートを広く使う幅で勝負していることが説明されています。相手のアタックやサーブのコースを分析し、チームで同じ対策を実行する組織力も強みです。

観戦するときは、強烈なアタックだけでなく、トサーが上げるボールの高さ、2人のアタッカーの使い分け、ブロックの位置にも注目すると、日本代表の狙いを理解しやすくなります。

まとめ

セパタクローは、手や腕を使わず、足や頭でボールをつなぐネット競技です。15点制の短いセットの中に、サーブ、レシーブ、トス、アタック、ブロックといった役割が詰まっています。

空中で繰り出される大技に加え、選手同士の細かな連係や読み合いまで分かると、観戦がさらに面白くなりそうですね。男子日本代表が世界一になったクワッドと、基本の3人制レグの違いにも注目して応援してみてください。