一場鉄平さん|虎ノ門蒸留所で生まれるクラフトジンと東京素材
テレビ東京『東京交差点 ONE MOMENT』は、2026年9月28日に蒸留家の一場鉄平さんを紹介する予定です。一場さんが手がけるクラフトジンは、東京の島焼酎や水、季節の植物を生かしている点が特徴です。
一場鉄平さんの仕事と虎ノ門蒸留所
一場鉄平さんは、東京・虎ノ門でジンを造る蒸留家です。東京都の「東京ISLANDS SPIRITS」では、虎ノ門横丁の企画に携わり、蒸留技術を学んだ後、2020年から虎ノ門蒸留所で蒸留家・事業運営担当者として活動しています。
蒸留家は、原料となる酒や香りの素材を選び、蒸留の工程を通じて酒の特徴を形にする造り手です。虎ノ門蒸留所の公式サイトを見てみると、一場さんの仕事を理解する鍵は、どうやらベースとなる島焼酎と水、香りをつける季節の植物という二つの視点にありそうです。
蒸留所では何をしている?
蒸留所は、酒や発酵した液体などを加熱し、生じた蒸気を冷やして液体に戻す「蒸留」を行う場所です。この工程でアルコールや香りの成分を取り出し、酒の個性をつくります。素材の選択、蒸留の仕方、仕上げの加水なども、造り手の大切な仕事です。
蒸留所ごとに原料や工程は異なります。虎ノ門蒸留所の場合は、東京の島々で造られた焼酎をベースに、植物の香りを重ねてジンを造っています。島焼酎そのものを虎ノ門で一から造っているわけではありません。
焼酎はどのように造られる?
こうじと酵母で「もろみ」を造る
一般的な本格焼酎造りでは、まず蒸した米や麦にこうじ菌を育てて「こうじ」を造ります。こうじ、水、酵母を合わせた一次もろみで酵母を増やし、次に米・麦・さつまいもなどの主原料と水を加えて二次もろみを仕込みます。
二次もろみでは、こうじの働きで原料のでんぷんが糖に変わり、酵母がその糖をアルコールに変えます。つまり、焼酎は蒸留の前に、原料を発酵させる工程を経ています。
発酵したもろみを蒸留する
発酵が終わったもろみを蒸留器で加熱し、蒸気を冷やして酒を取り出します。その後、酒質に応じて貯蔵や加水などを行い、製品に仕上げます。主原料や造り方によって、麦焼酎、芋焼酎などの違いが生まれます。
虎ノ門蒸留所でジンの土台になる島焼酎も、島の造り手が発酵と蒸留を経て造った酒です。一場さんたちは、その酒をベースアルコールに選び、さらに香りの素材を組み合わせています。
東京の素材をどう生かしている?
ベースには島焼酎と奥多摩の水
虎ノ門蒸留所は、東京の島々で造られる焼酎を蒸留前のベースアルコールに使うと案内しています。島酒とは、伊豆諸島などで受け継がれてきた焼酎のことです。同じ東京都内でも、虎ノ門の街と島々では異なる酒造りの文化があり、その接点がこのジンの土台になっています。
また、蒸留時と仕上げの割水には、奥多摩源流・青梅沢井の湧き水を使用しています。島焼酎と水を組み合わせ、東京の素材を酒の土台から生かしている点が特徴です。
香りには時季の植物
ジンでは、ジュニパーベリーをはじめとする植物由来の香りの素材を「ボタニカル」と呼びます。虎ノ門蒸留所は、定番の「COMMON」で島焼酎の味わいを生かしながらジュニパーベリーの香りを引き出すと説明しています。
一方、「季節のジン」では、時季の草木花果を香りがよい時期に使います。公式サイトは、キンモクセイや初夏の新緑、クチナシを例に挙げています。同じ蒸留所でも、定番の味わいと季節ごとの香りを分けて楽しめる構成です。
「COMMON」と「季節のジン」の違い
「COMMON」は、島焼酎をベースにジュニパーベリーの香りを引き出すレギュラージンです。「季節のジン」は、暮らしの中で出合う植物を採り入れ、その時季の香りを表現します。どちらも東京の素材を生かしますが、前者は蒸留所の基本となるジン、後者は季節ごとに変わる植物が主役です。
クラフトジンという言葉だけでは、何が「東京らしさ」につながるか分かりにくいかもしれません。ベースの島焼酎、水、香りの植物という順に見ると、一場さんたちの素材選びが理解しやすくなります。
虎ノ門蒸留所のコンセプトと商品案内を確認できる公式ページはこちら
まとめ
一場鉄平さんのクラフトジン造りは、東京の島酒や奥多摩の水を土台に、季節の植物の香りを重ねる取り組みです。土地の酒造りと身近な季節の移ろいが、一つのジンでつながっているところに魅力を感じます。
興味を持った方は、蒸留所の公式案内で現在の商品や素材を確認してみてください。酒類の利用は20歳以上の方に限られます。




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