大相撲の決まり手を見分ける|押し出し・寄り切り・突き出しの違い
大相撲の「押し出し」「寄り切り」「突き出し」は、いずれも相手を土俵の外へ出して勝つ決まり手です。違いをつかむには、外へ出た結果だけでなく、手をどう使ったか、体を密着させていたかを見ると分かりやすくなります。
ABEMAでは、2026年11月8日(日)から十一月場所の全取組を生中継する予定です。この記事では、観戦の入口として覚えやすい三つの基本技を、日本相撲協会の説明を基にまとめます。
決まり手は、勝負を決めた技を表す
「勝った理由」を、技の名前で確かめる
決まり手は、取組の勝負を決めた技の名前です。日本相撲協会が定める決まり手は82手あり、それとは別に「非技」と呼ばれる五つの勝負結果もあります。
勝敗の基本は、相手を土俵の外へ出す、または相手の足の裏以外の部分を先に土俵につかせることです。一方、決まり手は、どういう動きで勝負が決まったかを表します。勝敗と技名を分けて考えると、観戦の情報が頭に入りやすくなります。
まずは三つの「外へ出す技」を比べる
82手を最初からすべて覚える必要はありません。今回の三つは、同じく土俵の外へ出す技なので、結果が似ていても動きに違いがあることを学ぶ入口になります。
| 決まり手 | 主な動き | 観戦で注目するところ |
|---|---|---|
| 押し出し | 手を相手の胸や脇の下などに当て、押して外へ出す | 手を当てる場所と、押す形 |
| 寄り切り | 相手に体を密着させ、前や横へ進んで外へ出す | 体の密着と、進む方向 |
| 突き出し | 手のひらで胸や肩などを突っ張り、外へ出す | 突く手の動きと、前へ出る足 |
この表は、公式の定義を短く比較したものです。実際の取組では途中で攻め方が変わるので、最初の動きだけで決まり手を決めつけないようにしましょう。
押し出しは、手を当てて押す形に注目
「筈」は、相手に手を当てる形
日本相撲協会の押し出しの説明では、両手または片手を「筈(はず)」にし、相手の脇の下や胸に当てて外へ出します。筈は、親指とほかの四本の指をY字のように開いた手の形です。
観戦では、力士の手がどこに当たっているかを見るのが一つの手がかりになります。大きな体が前へ動くところだけでなく、胸や脇の下へ当てた手にも目を向けると、「押す」動作が見えてきます。
まわしを取っていない、だけでは十分ではない
まわしは、力士が腰に締めるものです。まわしを取らずに攻める場面は押し出しを考える手がかりになりますが、それだけでは突き出しとの違いまでは分かりません。
三つの技を比べるときは、まわしの有無だけでなく、手の使い方と体の密着を合わせて見ましょう。押し出しなら、手を当てて押す形で、どのように相手を土俵際へ運んだかを追ってみてください。
寄り切りは、体を密着させて進む
前へ進むだけでなく、横へ寄る場合もある
日本相撲協会の寄り切りの定義は、相手に体を密着させ、前か横に進んで土俵の外へ出す技です。正面へ一直線に押し進む場面だけを思い浮かべないことも、見分ける手がかりになります。
押し出しとの比較では、手で働きかけている部分だけでなく、胸や腹のあたりを含め、二人の体がどのように接しているかを見ます。距離の近さと進み方を合わせると、言葉だけの違いから動きの違いへつなげやすくなります。
まわしは手がかりの一つとして見る
まわしを取って組み合う場面では、寄り切りを思い浮かべる人も多いでしょう。ただし、まわしをつかんでいるという一点だけを見て、取組全体の決まり手を断定するのは避けたいところです。
まずは体が密着しているか、そこからどちらへ進んでいるか、最後にどう外へ出したかを順に追ってみましょう。協会の定義も、密着と前・横への動きを中心にしています。
突き出しは、突っ張る手と出足を見る
胸や肩へ、手のひらで働きかける
突き出しは、手のひらで相手の胸や肩などを強く突っ張り、土俵の外へ出す技です。押し出しと同じく手を使いますが、こちらは「突っ張る」という動きが説明の中心です。
日本相撲協会の突き出しの解説では、手の力だけでなく、鋭い出足も必要だとされています。画面では手の動きが目立ちますが、前へ出る足にも目を向けると、攻めが進む様子を追いやすくなります。
途中の突っ張りと、最後の決まり手は分ける
取組の途中で突っ張っていても、その後に組み合ったり、別の攻めへ移ったりすることがあります。「突っ張りが見えたから突き出し」と、途中だけで決めないことが大切です。
途中の攻め方を見たうえで、勝負が決まる直前の動きまで追うと、決まり手を理解しやすくなります。一度で分からない場合は、リプレーと正式な技名を合わせて確認してみましょう。
見分けにくいときの、観戦の進め方
手・密着・足を、一つずつ見る
最初からすべてを同時に見る必要はありません。まず手がどこで何をしているか、次に体が密着しているか、最後にどちらへ進んだか、と注目点を一つずつ変えると追いやすくなります。
体格の大きさや、勢いよく外へ出した印象だけでは、技の違いはつかみにくいものです。正式な決まり手が分かったあとに、見えた動きと照らし合わせるところから始めてみましょう。
ほかの技は、気になったものから確かめる
投げ技や倒す技など、相撲にはほかにも多くの決まり手があります。気になった名前は、日本相撲協会の決まり手82手の一覧で確かめられます。三つの技で見方に慣れてから、少しずつ広げるのも一つの楽しみ方です。
まとめ
押し出しは手を当てて押す形、寄り切りは体を密着させて進む動き、突き出しは手のひらで突っ張る動きが、見分ける手がかりです。途中と決着の動きを分けて見ることも、理解に役立ちます。
私は、同じように土俵の外へ出す勝負でも、手や体の使い方を知ると、取組を見る楽しみが増すと感じます。次に観戦するときは一つの技に注目し、リプレーや正式な技名と見比べてみてはいかがでしょうか。




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