シーギリヤの水の庭園は、池を美しく並べただけの場所ではありません。貯水池や地下水路をつなぎ、高低差と水圧を利用して水を流す仕組みがあります。山頂にも水をためる設備がありますが、地上の庭園とは分けて考えると理解しやすくなります。

日本テレビ系『サクサクヒムヒム☆推しの降る夜☆』では、2026年10月31日(土)23:30からシーギリヤを取り上げる予定です。岩の上の遺跡に加えて、その足元に広がる水の工夫にも目を向けてみましょう。

シーギリヤには、三つの庭園がある

岩の上だけでなく、麓にも広がる遺跡

シーギリヤは、スリランカ中部の大きな岩山と、その周辺に残る古代都市の遺跡です。1982年に世界遺産へ登録されました。日本語では「シギリヤ」という表記も使われます。

岩山の上の宮殿跡が印象的ですが、麓には庭園が広がっています。山頂の建築と地上の空間を合わせて見ると、この場所を都市として考えた工夫が分かってきます。

水・岩・段状の庭園を見分ける

中央州観光局の三つの庭園の構成では、水の庭園、岩や洞窟を取り込んだ庭園、段状の庭園に分かれます。それぞれがつながり、岩山へ向かう空間をつくっています。

庭園主な注目点
水の庭園池・水路・噴水の配置とつながり
岩の庭園自然の巨石と、その間を通る道
段状の庭園地形を生かした段と階段

水の庭園は西側の区域にあり、東西の軸に沿って左右対称に配置されています。自然の岩を生かす部分と、形を整えた池や通路の部分を見分けるのも、面白い見方です。

池と地下水路が、庭園の噴水を動かす

水面の下にも、つながりがある

水の庭園の池は、地下の水路網によって結ばれています。中央州観光局の説明では、岩山の南側の人工湖から水が供給され、庭園の池や周囲の堀ともつながります。

見た目には別々の池でも、水の通り道まで含めると一つの仕組みです。水をためる場所、通す場所、見せる場所を分けて考えると、庭園の働きを追いやすくなります。

高低差と圧力を利用する

水には、高い場所から低い場所へ流れる性質があります。水路でつないだ先では、その高低差による圧力を利用して水を押し出せます。これは仕組みを理解するための一般的な説明です。

スリランカ観光局の庭園の水利用に関する解説では、貯水池から重力による圧力で噴水へ水を送り、穴を開けた石灰岩の板を噴出口にしています。電動ポンプの有無だけで考えるより、水位と流れる先の高さを見ることが大切です。

庭園の噴水は、貯水池・地下水路・高低差をつないだ仕組みとして見ると分かりやすくなります。ただし、具体的な水圧や流量まで、現存する池の写真だけから決めることはできません。

今も噴くという説明には、条件がある

公的な解説では、噴水は雨季など、水の条件が整う時期に今も機能するとされています。「古代の設備が今も働く」という点は魅力ですが、いつ訪れても同じ勢いで噴いているという意味ではありません。

水が出ているかどうかだけで庭園の価値を決めず、噴出口の位置や、池と水路の関係にも注目したいところです。

山頂の水は、地上の庭園とは別に考える

岩の上では、雨を集めてためる

スリランカ観光局の説明によると、山頂では雨水を集める工夫が使われていました。岩を一部掘った貯水設備や、小さな水槽のような遺構が確認されています。

台地の傾斜を利用して水を集め、ためた水を使う方法です。岩山の上にも水があるからといって、地上の貯水池から全てを押し上げた、と考える必要はありません。

「噴水へ送る」と「山頂で集める」を分ける

地上の庭園へ水を送る仕組みと、山頂で雨水を集める仕組みは、同じものではありません。この二つを混ぜると、古代の設備を実態以上に不思議な技術として捉えてしまいます。

庭園では水を流して景観をつくり、山頂では限られた場所で水を確保する。場所ごとの役割を考えると、設備の違いにも納得しやすくなります。

遺構を見るときに注目したいこと

形だけでなく、水の行き先をたどる

写真や平面図を見るなら、まず池の形と通路の並びを確かめます。その次に、どこから水が入り、どの池や堀につながるのかを考えると、見える範囲の外にも関心が広がります。

地下水路は地表から全部見えるとは限りません。見える遺構と、資料で分かる水のつながりを分けることが、推測を増やさずに楽しむポイントです。

見学条件は、現在の案内で確認する

シーギリヤは文化遺産であり、庭園も保存されている遺構の一部です。訪問する場合は、通行できる区域や撮影条件などを現地の管理者の案内で確認し、池や水路へ勝手に入らないようにしましょう。

まとめ

シーギリヤの水の庭園は、池と地下水路、高低差を組み合わせた空間です。一方、山頂では雨水を集めてためる工夫があり、両者を分けることが水利用を理解する鍵になります。

大きな岩山に目を奪われがちですが、足元の池や小さな噴出口にも工夫が詰まっていると知ると、見方が広がりますね。全体図と公的な解説を照らし合わせながら、水の通り道をたどってみたくなります。