赤飯の赤い色と祝いの文化|小豆・ささげ・もち米の違い
赤飯の赤い色は、一般的には小豆やささげの煮汁を米に吸わせることで生まれます。お祝いの席で食べる背景には、赤い色に災いを遠ざける意味を重ねてきた食文化があります。
『VIVANT』シーズン1には赤飯が登場し、TBSは2024年1月29日にコラボ商品の赤飯キットを発表しました。この記事では、そのつながりを入口に、赤飯の材料・色づけ・地域による違いをまとめます。
赤飯はなぜ赤い?色の仕組みと祝いの意味
豆の煮汁で米を色づけする
小豆や赤色のささげを煮ると、煮汁に色が出ます。その煮汁を使って米を浸したり、蒸す途中に加えたりすることで、米にも色が移ります。赤い色の米を必ず使う料理、というわけではありません。
赤飯の色を知る鍵は、豆そのものだけでなく、豆を煮たあとの煮汁にもあります。ただし、すべての赤飯が同じ色づけではなく、地域や作り方によっては食紅などを使います。
赤い色に願いを込める食文化
高崎市の食育資料では、昔から赤は悪い気を払うと考えられ、それが祝いの席で赤飯を食べることにつながっていると説明されています。これは、赤い色に意味を重ねてきた文化の話です。
結婚や誕生などの節目に食べ、周囲に配る習慣もあります。何か特別な成分の効能として受け取るより、喜びや願いを食卓で分かち合う料理として見ると分かりやすくなります。
小豆・ささげ・もち米は、それぞれ何を担う?
小豆とささげは似ていても違う豆
小豆とささげは、どちらも赤飯に使われますが、同じ豆の別名ではありません。日本豆類協会のささげの特徴と小豆との見分け方では、小豆のへそは細長い直線状、ささげは楕円形で黒い縁取りがあるとされています。
へそは、種がさやにつながっていた部分です。豆の色だけでなく、この部分を見ると違いを確かめやすくなります。なお、ささげには赤色以外の種類もあるため、赤飯用に選ぶ際は商品の用途表示も確認しましょう。
関東地方では、小豆に代えてささげを用いる習慣があります。小豆は煮たときに皮が破れやすく、ささげは皮が破れにくいという性質の違いも、使い分けを知る手がかりになります。
もち米は粘りのある食感をつくる
米の選び方も重要です。農林水産省によると、もち米のでんぷんはほぼアミロペクチンで構成されています。普段のご飯に使ううるち米は、アミロースとアミロペクチンの両方を含みます。
もち米は粘りの強い食感を生み、赤飯やおこわに使われます。料理や地域によってはうるち米を混ぜるため、「赤飯は必ずもち米だけ」と考えず、レシピや商品の米の配合を確かめるとよいでしょう。
蒸す赤飯と、炊飯器で炊く赤飯
蒸す方法では、吸水と途中の水分補給が大切
日本豆類協会の小豆を使った赤飯の作り方では、豆と煮汁を分け、もち米を煮汁に浸したあとで蒸します。途中で煮汁を使った打ち水をしながら、米を仕上げていきます。
打ち水は、蒸している米へ水分を補う作業です。豆を煮る工程、米に吸水させる工程、蒸す工程が分かれていることを知ると、手順の意味がつかみやすくなります。
炊飯器では機種と材料に合う水加減を確認
炊飯器を使う方法もありますが、蒸し器用の手順をそのまま置き換えると、水分の与え方が変わります。使用する機種がもち米やおこわに対応しているか、取扱説明書と対応レシピを確認しましょう。
もち米だけか、うるち米を混ぜるかによっても条件は変わります。材料をそろえる前に、米の配合・分量・水加減を一つのレシピで確認しておくと、作業を進めやすくなります。
北海道や山梨には甘納豆の赤飯もある
北海道の甘い赤飯
農林水産省の北海道の赤飯の食文化と調理例では、もち米とうるち米を使い、食紅で色をつけて炊き、あとから甘納豆を混ぜる方法が確認できます。小豆の煮汁で色づけする方法とは、色と豆の甘さの加え方が異なります。
山梨にも伝わる、甘い赤飯の文化
山梨県の食文化資料にも、甘納豆入りの赤飯が掲載されています。甘い赤飯と小豆入りの赤飯の両方が売られている例もあり、「その地域の赤飯は一種類だけ」とは限りません。
赤飯は、米の種類、豆の種類、色づけ、甘さに注目すると、地域や家庭の違いを楽しめる料理です。ドラマに登場する料理の意味を決めつけるより、実際の食文化へ目を向けると、身近な疑問を深く調べられます。
まとめ
赤飯には、豆の煮汁で色づけする方法と、甘納豆や食紅を使う地域の作り方があります。小豆・ささげ・もち米の役割を分けると、色や食感の違いも理解しやすくなります。
私は、一膳の赤飯から地域や家庭の祝い方を知ることができるのは、食文化の面白さだと思います。買うときは原材料を、作るときは米の配合と手順を確かめ、自分になじみのない赤飯も味わってみたいですね。




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