小豆島の「まめまめびーる」には、醤油づくりのもろみを使った黒いビール「くろまめまめ」があります。ヤマロク醤油の「鶴醤」のもろみと、ローストした麦芽を組み合わせたスイートスタウトです。島の醤油産業と醸造所の仕事が、一つの製品でつながっています。

読売テレビ・日本テレビ系『遠くへ行きたい』では、2026年11月1日(日)の小豆島の旅で、まめまめびーるを取り上げる予定です。この記事では、もろみを使う工夫と、島の素材を生かす醸造の特徴をまとめます。

くろまめまめは、醤油もろみを生かす黒ビール

使うのは、醤油づくりの途中にある「もろみ」

一般的な醤油づくりでは、大豆や小麦からつくった麹に食塩水を加え、もろみを仕込みます。これを発酵・熟成させ、搾ることで醤油が得られます。もろみは、出来上がった液体の醤油そのものとは異なります。

くろまめまめには、木桶仕込みを続けるヤマロク醤油の、再仕込み醤油「鶴醤」のもろみが使われます。醸造所は、もろみとローストモルトに由来する香ばしさ、甘みが調和する味わいと説明しています。

そのまま使わず、脱塩してから焙煎する

かがわ県産品振興機構のくろまめまめの原料と製法の紹介によると、仕込み前にもろみを水で洗って脱塩し、その後、炒って使います。醤油のもろみを、そのまま飲み物へ混ぜるというつくり方ではありません。

醤油もろみの特徴を生かしながら、脱塩と焙煎を経て醸造の材料にすることが、この製品の工夫です。元の素材を選ぶだけでなく、別の飲み物に合わせて扱い方を変えるところにも、つくり手の仕事が表れています。

スタウトとロースト麦芽の役割

黒さだけでなく、焙煎の風味を見る

スタウトは、焙煎した大麦などの特徴を生かすビールのスタイルです。全国地ビール醸造者協議会は、ロースト感やコーヒー、チョコレート、ナッツを思わせる風味を、その特徴として説明しています。ただし、これらの食品がすべて原料として入っているという意味ではありません。

麦芽は、麦を発芽させてから乾燥などの工程を経た原料です。さらに焙煎した麦芽には色や香りの特徴があり、黒いビールの風味を考えるときの手がかりになります。

もろみと麦芽を分けて考えると分かりやすい

くろまめまめでは、醤油もろみとローストモルトの両方が使われています。黒い色や香ばしさをすべてもろみだけの効果と考えず、それぞれの原料が組み合わさった製品として見るのがよさそうです。

醸造所のビールの種類と原料の説明では、この製品はスイートスタウトで、アルコール度数は5%です。製品は公式表示上、発泡酒として扱われています。この記事の「ビール」は飲み物のスタイルを説明する呼び方として使っています。

まめまめびーるは、小豆島の何を使っているか

果物・穀物・発酵の文化を、製品ごとに生かす

まめまめびーるは、香川県小豆島町を拠点とする小さな醸造所です。島の果物や農作物に加え、醤油や味噌などの地域産業も、素材選びの手がかりにしています。

島内で栽培された麦やホップを使う製品もありますが、すべての製品が全原料小豆島産という意味ではありません。どの素材をどの製品に使っているかを分けて見ると、醸造所の特徴がつかめます。

ほかの製品と比べると、素材選びの幅が分かる

公式の商品説明には、次のような例もあります。ここでは料理メニューではなく、醸造製品の原料とスタイルを比べています。

製品のスタイル素材選びの特徴
スイートスタウトヤマロク醤油のもろみとローストモルト
ホワイトエール系レモングラス、コリアンダーシード、はだか麦、レモン
米・米麹を使うエール安田の郷の米と、森製麹所の米麹

味わいの方向は製品ごとに異なります。苦味や香りを選びたいときは、原料とスタイルを一緒に読むと、自分の好みを考える手がかりになります。アルコール飲料なので、飲用の対象は20歳以上です。

訪問するなら、醸造所と食堂を分けて確認する

活動の拠点は、小豆島の坂手エリア

公式の店舗情報で確認できる拠点は、坂手の高台にある醸造所・併設店舗と、坂手港の旧フェリーターミナル「NEIW」内の食堂です。全国に同じ店を広く展開するチェーンというより、小豆島での醸造と提供を中心にしています。

醸造所と食堂は別の拠点なので、営業時間と定休日を混ぜずに確認しましょう。特に港の近くで立ち寄りたい場合は、どちらの店へ行くのかを先に決めておくと予定を立てやすくなります。

代表例:坂手の醸造所・併設店舗

所在地は、香川県小豆郡小豆島町坂手甲769です。通常の営業時間は12:00~17:00(ラストオーダー16:30)、定休日は火曜・水曜で、通常はそれ以外の曜日が営業日です。坂手港から徒歩約10分の場所にあります。

一方、食堂の通常営業時間は平日13:00~20:30、土日祝13:00~22:30、定休日は木曜・金曜です。季節による変動があるため、訪問前に醸造所と食堂の店舗情報から最新の案内を確認しましょう。取り扱い商品や在庫も、来店前の確認がおすすめです。

まとめ

くろまめまめの特徴は、小豆島の醤油もろみを脱塩・焙煎して使い、ロースト麦芽と組み合わせるところにあります。島の発酵文化や農作物が、別のかたちの飲み物へつながっています。

私は、島の産業同士が素材を通じてつながるところに、この醸造所の面白さを感じます。20歳以上で関心のある方は、まず原料やスタイルを見比べ、訪問する場合は拠点ごとの営業案内を確認してみてはいかがでしょうか。