福澤克雄のドラマづくり|『VIVANT』の原作と演出をつなぐ仕事
『VIVANT』シーズン1で原作を手がけ、演出にも参加された福澤克雄さん。作品の出発点を考える仕事と、それを映像にする仕事の両方に関わられています。
ただし、「原作・福澤克雄」という表示は、一人で脚本も撮影もすべて担当したという意味ではありません。2023年の作品情報と本人インタビューをもとに、原作・脚本・演出の違いから、ドラマづくりの仕事を見ていきます。
『VIVANT』での原作と演出、脚本の分担
原作は福澤克雄さん、脚本は別にクレジット
シーズン1の原作・脚本・監督のクレジットでは、原作は福澤克雄さん、脚本は八津弘幸さん、李正美さん、宮本勇人さん、山本奈奈さんとなっています。監督には福澤さんのほか、宮崎陽平さん、加藤亜季子さんの名前があります。
この表示からも、物語の出発点、台本づくり、映像化は、関連しながら複数の人が担う仕事だと分かります。福澤さんの創作を知るうえでも、ほかのスタッフの担当を一緒に見ることが大切です。
三つの仕事はどう違う?
原作は作品のもとになる物語
一般に原作は、映像化のもとになる物語や作品を指します。小説や漫画が原作の場合もありますが、『VIVANT』の原作クレジットにあるのは福澤さんです。ここでは、既存小説の映像化と同じ意味に受け取らないほうが理解しやすくなります。
脚本は場面とせりふを組み立てる仕事
脚本は、場面の流れ、登場人物のせりふ、行動などを台本として具体化する仕事です。物語のアイデアがあることと、各話で何を見せ、どう会話を進めるかを決めることには、異なる作業があります。
演出は台本を映像表現へつなぐ仕事
演出は、俳優の表現、場面の見せ方、時間の流れなどを通して、台本の内容を映像として成立させる仕事です。これらは一般的な役割の説明で、実際の制作では相談や共同作業が重なります。
原作・脚本・演出は、別々の工程でありながら、完成する一本のドラマに向けてつながっています。福澤さんの仕事も、このつながりの中で見ると捉えやすくなります。
福澤さんが語った、続きを見たくなる構成
初回ですべてを説明しない選択
2023年12月20日公開のTBSによる福澤さんへの制作インタビューでは、初回で作品の仕組みをすべて説明する代わりに、人物や展開によって先への関心を生む構成を考えたことが語られています。
物語の情報をどの順番で渡すかは、ドラマの見え方を左右します。先に答えを知って人物の行動を追うのか、行動を見ながら背景を知っていくのか。この違いに注目するのも、構成を楽しむ見方になりそうです。
台本を共同で考えるという姿勢
同じインタビューで福澤さんは、脚本家だけに任せるのではなく、監督やプロデューサーも台本づくりに関わり、責任を持つことの大切さを語られています。
これは福澤さんが述べた創作上の考え方です。シーズン1の各せりふを誰が考案したかまで確認できるものではありませんが、演出家が完成した台本を受け取るだけでなく、物語づくりから関わる姿勢がうかがえます。
大きな映像を支える、現地との調整
モンゴルロケにはコーディネートの仕事もある
映像を実際に撮影するには、物語や演技以外の準備も必要です。和陽の発表によると、WAYO-EARTH LLCは、シーズン1のモンゴルロケをコーディネートし、現地俳優のキャスティングや通訳、ドライバーの手配に関わりました。
この例からも、監督の構想を撮影可能な状況へつなぐには、現地の人や場所、言語、移動を調整する仕事があることが分かります。ロケ地の景色が画面に映るまでには、撮影に直接映らない準備も重なっています。
スタッフ名から作品を見る視点
見終わったあとに原作・脚本・監督などの担当名を確かめると、作品を支える仕事へ関心を広げられそうです。今回は福澤さんを入口にしていますが、演出チームや脚本家、現地協力者まで視野を広げることで、共同制作としてのドラマが見えてきます。
まとめ
福澤克雄さんは、シーズン1の原作と演出に関わられました。一方、脚本やほかの演出、海外での撮影準備などには、それぞれ担当する人やチームがいます。
私は、物語の面白さに加えて「その場面を誰が、どんな役割で形にしたのか」を知ると、ドラマを見る楽しみがもう一つ増えると思います。作品を見返すときは、スタッフの担当や情報が明かされる順番にも目を向けてみたいですね。




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