Chaki Zulu(チャキ・ズールー)は、YENTOWNなどの楽曲制作に関わる音楽プロデューサーです。仕事を理解する鍵は、ビートを作るだけでなく、ラップや歌声と合わせて楽曲を仕上げていくことにあります。

ABEMA独自番組『RAPSTAR 2026』のビートメイカーにも名を連ねており、公式発表に記載された第2回の放送予定は、2026年10月17日(土)22:00からです。この記事では、番組への制作側としての参加を入口に、本人への取材と公表された作品情報から、楽曲づくりの仕事をまとめます。

Chaki Zuluの仕事は、伴奏と歌声をつなぐこと

ビートを渡して終わりにしない共同制作

音楽メディアFNMNLの2019年のChaki Zulu本人への制作方法の取材では、アーティストとラップの乗せ方を話し合い、歌い方に合わせてビートも変更する方法が語られています。最初のビートを完成品ではなく、共同制作の土台と捉えていることが分かります。

同じ取材では、声の表情や力の入れ方、言葉で何を伝えたいかにも関わると話されています。音と歌声を別々に完成させるのではなく、相手とやり取りしながら形にする点が興味深いですね。

録音時のディレクションも作品づくりの一部

ディレクションは、制作の方向性を確認し、表現を整えるための働きかけです。歌声の表情や言葉の伝え方に関わることで、伴奏と声の組み合わせを考える仕事にもつながります。

ただし、この取材は当時の制作方法についての説明です。現在のすべての作品が同じ手順で作られているとは限らないため、個々の作品では実際に公表された担当情報も見ていきましょう。

ビートメイカーは、曲の土台となる音を組み立てる

「ビート」はドラムのリズムだけを指すとは限らない

ヒップホップの楽曲制作で使うビートは、ラップを乗せる伴奏トラックを意味することがあります。ドラムのリズムだけでなく、ベース、コード、メロディーなどを組み合わせて作るものです。

一般的な制作では、ドラムがリズムの骨格、ベースが低音、コードが和音の流れ、メロディーが旋律を担います。どの音を置くかだけでなく、繰り返し方や音数の変化によっても、歌声を乗せる土台が変わります。

音を並べる「プログラミング」と、録音後の「ミックス」

作品の担当欄には、Programmingという表記もあります。音楽制作では、音を鳴らすタイミングやパターンなどをコンピューターや機器に設定する仕事を指し、楽器の生演奏とは異なる方法で曲の要素を組み立てます。

一方、ミックスは、録音された複数の音を合わせ、音量や音の配置などを調整してまとめる工程です。マスタリングはその後、完成したミックスをリリースへ向けて最終調整する工程となります。曲を作ることと、録音された音を仕上げることは、関連しながらも役割が異なります。

作品クレジットから見えるChaki Zuluの担当

制作に関わった人と役割を記した情報が、クレジットです。配信されているYENTOWN『Y.E.N.』の楽曲別制作クレジットや、kZm『DESTRUCTION』の作品情報では、Chaki Zuluの担当を具体的に確認できます。

同じ人でも、曲によって担う仕事が違う

作品・楽曲確認できる担当注目する点
YENTOWN「不幸中の幸い」作曲・Producer・Programming曲づくりと音の組み立てへの関わり
YENTOWN「Y.E.N.T.O.W.N.」作曲に参加・Ryuwとの共同Producer/Programming複数人が役割を担う共同制作
kZm「SYOGOUKI(feat. Campanella)」Mixing Engineer・Mastering Engineer録音された音を仕上げる仕事

このように見ると、Chaki Zuluの関わりを「全部の曲を一人で作った」とまとめることはできません。例えば「SYOGOUKI」の作曲欄はYohji Igarashiで、Chaki Zuluはミックスとマスタリングの担当となっています。

Producerの表記だけで、全工程の担当者を決めない

Producer、作曲、演奏、Programming、ミックスなどは、作品によって兼任されたり、別の人が担当したりします。誰の名前があるかに加えて、どの役割の欄に記されているかを見ると、制作への関わり方が分かりやすくなります。

『RAPSTAR』でも、ラップとビートは別の役割

『RAPSTAR 2026』は、用意されたビートを参加者が選び、自分の言葉を乗せたパフォーマンス動画を投稿するオーディションプロジェクトです。ビートメイカーは、その表現の土台となる音を提供する立場です。

そのため、ビートメイカーとしての参加と、歌詞を書くことや審査をすることは同じではありません。Chaki Zuluについても、個々の応募作品への直接指導や、毎回の画面出演を前提にせず、公表された制作の役割から理解することが大切です。

まとめ

Chaki Zuluの楽曲づくりでは、伴奏を組み立てる仕事、歌う人との共同作業、録音された音を仕上げる仕事がつながっています。作品ごとのクレジットを確かめると、同じプロデューサーでも異なる役割を担っていることが分かります。

歌う人と対話しながら、音と言葉の組み合わせを育てていく姿勢は、素敵だと感じます。気になる曲を聴くときは、歌い手だけでなく作曲や制作担当の欄にも目を向けてみると、音楽の楽しみ方が少し広がりそうですね。