加地恭子さんが器をつなぐ金継ぎ|本漆で直す工程と使い続ける工夫
金継ぎは、割れたり欠けたりした器を直し、その跡を新たな表情として生かす修復の技術です。本漆を使う場合、器をつなぐ役割を担うのは漆で、金粉は仕上げの装飾に使います。
金継ぎ師の加地恭子さんは「Kintsugi K」で、本漆による器の修復や教室を行っています。朝日放送テレビ『LIFE~夢のカタチ~』では、2026年10月31日(土)11:00から、その仕事を取り上げる予定です。
加地恭子さんが大切にする、器と持ち主への向き合い方
修復するのは、形だけではない
加地さんがナガクの本人インタビューで語っている修復への考え方からは、持ち主の器への思いを受け止め、仕上げに反映することを大切にしていると分かります。見た目の美しさに加え、どう直せばその思いを尊重できるのかを考えています。
同じ欠けでも、どんな器なのか、これからどう使いたいのかで、相談したい内容は違ってくるでしょう。金継ぎを「金色の線を入れる作業」だけで捉えないことが、加地さんの仕事を理解する入り口になりそうです。
本漆の修復と、教室の二つの仕事
Kintsugi Kでは、依頼された器を直す仕事と、参加者が自分で手を動かす教室を行っています。修復を任せたい人と、自分で直す工程を学びたい人とでは、選ぶ窓口が異なります。
まずは「使える状態に戻したい」のか、「自分で直す経験も大切にしたい」のかを考えてみると、相談の目的を伝えやすくなります。
本漆で器をつなぐ金継ぎの工程
断面を整え、漆で接着する
『LIFE~夢のカタチ~』の加地さんの仕事を扱う予告では、生漆を欠けた断面に染み込ませ、麦漆で接着する工程を説明しています。麦漆は、ここでは器の破片をつなぐために使う漆の材料です。
金色の部分だけに目が行きやすいものの、その下には接着の工程があります。金粉そのもので破片を貼り合わせるわけではありません。
なくなった部分を埋め、表面を研ぐ
破片がそろっていても、欠けた部分が残ることがあります。予告で説明されているのが、錆漆で欠けを補い、研いで形を整える作業です。
接着は「離れた部分をつなぐこと」、欠けの補修は「失われた部分を補うこと」と分けると、工程の違いが分かりやすくなります。その後に漆を塗り重ね、仕上げへ進みます。
金粉は、修復跡に表情を与える仕上げ
金粉を蒔くのは仕上げの工程です。割れ目を隠すだけでなく、その線を器の見どころとして残せるところに金継ぎらしさがあります。
ただし、すべての講座で金粉を使うとは限りません。Kintsugi Kが提供する講座でも、使用できる粉や漆仕上げなどに違いがあるため、希望する色や素材を先に相談することが大切です。
本漆金継ぎと簡易金継ぎは、材料と進め方が違う
名前だけで、同じ修復方法と思わないこと
Kintsugi KがOtonamiで提供する講座には、本漆金継ぎと簡易金継ぎがあります。本漆の講座は漆を中心に修復し、簡易の講座は合成接着剤や合成樹脂などを使います。
| 比較する点 | 本漆金継ぎ | 簡易金継ぎ |
|---|---|---|
| 主な材料 | 本漆を中心とする材料 | 合成接着剤・合成樹脂など |
| 講座の進め方 | 8回以上の継続が前提 | 1回で完成する体験 |
| 選ぶ前の確認 | 通う間隔、仕上げ、器の状態 | 持込条件、材料、完成後の用途 |
この回数は、同アトリエが提供するOtonamiの講座の条件です。どの器の修復も必ず8回で終わる、あるいは金継ぎ全般がこの回数になるという意味ではありません。
漆が硬化する時間も、修復の一部
本漆は、気温や湿度によって硬化にかかる時間が変わります。接着してすぐ次へ進むのではなく、状態を確認しながら工程を重ねます。
そのため、受講回数だけを見ても完成までの期間は決まりません。急ぎの修復なのか、時間をかけて学びたいのかも含め、予定を相談するとよいでしょう。
教室や修復を検討する前に確認したいこと
器の状態と、完成後の使い方を伝える
相談時は、器の素材、割れや欠けの状態、残っている破片、希望する仕上がりを伝えると話を進めやすくなります。食事に使いたいのか、飾って楽しみたいのかも、大切な確認事項です。
本漆と簡易金継ぎでは材料や用途の条件が異なります。「金継ぎなら、どの器も同じように使える」と決めず、修復後の扱いまで確かめましょう。漆や道具を扱う際は、講師の説明に従ってください。
所在地と予約日程を確認する
講座の会場は、大阪府大阪市阿倍野区昭和町5-11-3です。大阪メトロ御堂筋線・西田辺駅の1番出口から徒歩約1分となっています。
Kintsugi Kの講座・持ち込み条件・開催日程は、予約ページで確認できます。開催日ごとの予約制なので、一般の店舗のような固定の営業時間・店休日として考えず、希望日の開始時刻を確認しましょう。
掲載日程には2027年の開催分が含まれます。今すぐ参加できると判断せず、選べる開催日と講座の条件を確かめてください。修復依頼の受付状況や納期も、個別の相談が必要です。
まとめ
加地恭子さんの金継ぎは、漆による接着や欠けの補修を重ね、器と持ち主の思いに合う仕上がりを考える仕事です。本漆と簡易金継ぎは材料も進め方も異なるため、直した後にどう使いたいかを先に考えることが大切です。
傷を単に隠すのではなく、使い続ける器の表情へ変えていくところに、金継ぎの温かさを感じます。手元に大切な器があるなら、状態と希望する使い方をまとめ、修復依頼か教室かを選ぶところから始めてみてはいかがでしょうか。




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